身体の「切り替え」と血圧の関係
9月に入り、急に雨が多くなり、少し涼しくなってきましたね。
みなさん、体調を崩されたりしていませんか?
「なんとなく身体が重い」「朝からだるい」「肩や首がいつもよりつらい」「眠っているのに疲れが抜けない」
この時期になると、そんな変化を感じる方もいるかもしれません。
今日は、そんな「寒暖差と身体の不調」についてのお話です。
寒暖差と体調の関係については、「知っているよ」という方のほうが多いと思います。
そこで今回は、「寒暖差があると身体に負担がかかる」というだけではなく、
寒暖差が起こったとき、身体の中ではどのような変化が起きているのか?
というところまで、少し深掘りしてみたいと思います。
「そこまで考えたことなかったな」
という方もいると思いますので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
そもそも身体は、温度の変化に対応しています。
私たちの身体には、外の環境が変化しても、体温をある程度一定に保とうとする仕組みがあります。
暑くなれば汗をかく
寒くなれば血管を収縮させたり、身体を震わせたりする
皮膚への血流を変化させることも、その一つです
つまり身体は、「暑いな」「寒いな」と感じているだけではありません。
その変化に合わせて、身体の状態そのものを調節しているんです。
ここが、今回お伝えしたいポイントです。
「寒暖差があるから疲れる」だけではない?
寒暖差の話になると、「気温差が大きいから身体に負担がかかる」と考えますよね。
もちろん、温度の変化が身体に影響することはあります。
実際に、気温の変動と心血管・呼吸器系の健康との関連を調べた研究では、温度変動が大きいことと、心血管・呼吸器系の健康への影響との関連が報告されています。
ただ、「寒暖差がある=必ず体調を崩す」という単純な話ではありません。
ここで、もう一つ考えてみたいことがあります。
それが、「身体が何度も切り替えている」ということです。
私たちは、一日の中で何度も温度環境を移動しています。
例えば朝、寝室から洗面所へ
そして外へ
少し歩いて電車に乗る
電車を降りて、冷房の効いたオフィスへ
昼休みに外へ出る
また室内へ戻る
仕事が終わって外へ出て、
コンビニやスーパーなどお店に入る
そして帰宅
こう考えてみると、
私たちは一日の中で思っている以上に、温度環境を行ったり来たりしています。
そのたびに身体は、
暑い
↓
身体が調節する
↓
寒い
↓
また調節する
↓
暑い
↓
また調節する
という対応をしています。
もちろん、これは身体に備わった自然な機能です。
だから「寒暖差があるから身体が悪くなる」と考える必要はありません。
むしろ、「環境が変わったとき、身体はどんな対応をしているんだろう?」と考えてみる。
これが大切なんです
そして、ここからが意外な話です。
寒暖差について考えると、「肩こり」「首こり」「身体のだるさ」などをイメージする方が多いと思います。
でも、温度変化の影響は、それだけではありません。
実は、血圧にも関係しています。
温度が下がると、血圧にも変化が起こります。
寒い環境では、身体は体温を逃がしにくくするため、皮膚の血管を収縮させるなどの調節を行います。
そして、気温が低くなると血圧が上昇する傾向があることも研究で確認されています。
さらに血圧には季節による変動もあります。
一般的に、暖かい時期よりも寒い時期のほうが血圧が高くなる傾向があります。
つまり、寒暖差という話を少し深掘りすると、
「肩がこる」
だけではなく、
温度
↓
身体の体温調節
↓
血管の変化
↓
血圧の変化
というところまで、身体全体の話として考えることができます。
さらに、自律神経も関わっています。
こうした体温調節には、自律神経系による調節も関係しています。
寒さや暑さに対して、血管、発汗、ふるえなどを調整しながら、身体は体温を保とうとします。
だからといって、「寒暖差=自律神経が乱れる」と単純に考える必要はありません。
むしろ、自律神経を含めた身体の調節システムが、環境の変化に合わせて働いている
と考えたほうが、身体の仕組みを正確に捉えやすいと思います。
ここは意外と知られていないところではないでしょうか。
だから「寒暖差疲労」を身体全体で考えてみる
例えば、
外 → 電車
電車 → オフィス
オフィス → 外
外 → お店
お店 → 外
そして自宅へ
私たちは、こうした移動を何度も繰り返しています。
そのたびに身体は環境に合わせて調節しています。
もちろん、健康な身体にはこうした調節能力があります。
でも、そこに
・睡眠不足
・疲労の蓄積
・運動不足
・生活リズムの乱れ
・長時間同じ姿勢
などが重なっていると、
「最近なんとなく調子が悪い」
と感じることもあります。
だから、「寒暖差が悪い」と決めつけるのではなく、
「寒暖差がある時期に、自分の身体はどう反応しているのか?」を見ることが大切なんです。
「不調の原因探し」だけで終わらせないで対策もしっかり!
特に40代~になると、「昔はこれくらい大丈夫だったのに」
と感じることも増えてくるかもしれません。
でも、ここで大切なのは、「年齢だから仕方ない」と片付けることでもありません。
反対に、「何か特別なことをしなければ」と頑張りすぎることでもありません。
まずは、
自分の身体がどんな環境の変化に反応しやすいのかを知ること。
これだけでも、自分の身体との付き合い方は変わってきます。
例えば、
「朝晩の気温差が大きい日は身体が重い」
「冷房の効いた場所に長くいると肩に力が入りやすい」
「睡眠が短かった翌日は、寒暖差があると疲れやすい気がする」
など。
こうした自分なりの傾向が分かってくると、
「今日は少し早めに休もう」
「室内の温度を調整しよう」
「少し身体を動かしておこう」
など、その日の状態に合わせた選択がしやすくなります。
ちなみに、食いしばりが気になる方にも!
そして、これは食いしばりが気になる方にも少し関係します。
寒い場所にいると、無意識に肩をすくめたり、身体に力が入りやすくなったりすることがあります。
こうした全身の緊張の変化が、人によっては首や肩だけでなく、顎まわりの力みとして感じられることもあります。
もし、
「寒暖差が大きくなると、なぜか食いしばりが気になる」
という方は、顎だけを見るのではなく、その日の気温、睡眠、疲労、仕事の忙しさ、室内環境なども一緒に振り返ってみる。
すると、自分なりのパターンが見えてくるかもしれません。
健康寿命を延ばすために、今からできること
健康寿命を延ばすために、
何か特別なことを始めなければいけないわけではありません。
むしろ大切なのは、「いつもと違う」に気づけること。
そして、「なぜ今日はこうなっているんだろう?」と少し考えてみること。
必要であれば、生活を少し調整してみること
そして、その後の身体の反応を見てみること
こうした小さな積み重ねが、自分の身体を理解する習慣につながっていきます。
「できるだけ長く、自分の身体で動きたい」
「できるだけ元気に毎日を過ごしたい」
と思うのであれば、不調が出てから考えるだけではなく、不調になる前の身体の変化にも気づいておく。
そんな習慣を、今から少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、「寒暖差と不調の関係」について、少し深掘りしてみました。
寒暖差による身体の変化は、「寒いから肩がこる」というだけではありません。
身体は温度の変化に合わせて、血管や発汗、筋肉などさまざまな調節をしています。
さらに、気温の変化は血圧にも影響することがあります。
つまり、
温度
↓
身体の調節
↓
血管
↓
血圧
↓
自律神経を含む身体の調節というように、寒暖差の話は身体全体につながっています。
そして私たちは、一日の中で何度も温度環境を移動しています。
だからこそ、「寒暖差が身体に悪い」と考えるだけではなく、
「自分の身体は、環境が変わったときにどう反応しているんだろう?」と見てみる。
これが、今回一番お伝えしたかったことです。
みなさんは、今回の内容をいくつ知っていましたか?
自分の身体に当てはめてみる
まずはここからです。
昨年の9月は、今年ほど涼しくなかったように感じる方もいるかもしれません。
今年は急に涼しくなり、雨の日も多く、身体の変化を感じやすい時期になるでしょう。
だからこそ、体調を崩してから慌てるのではなく、少し早めに自分の身体を見直しておく。
そんな習慣を始めるきっかけになれば幸いです。
身体は、「今ある不調をどうするか?」
だけではなく、
これから先も、自分らしく動ける身体をどう作っていくか。
そんな視点も大切になってきます。
今回の記事が、みなさんの健康寿命を延ばすきっかけの一つになれば幸いです。
